絵手紙いいNetマガジン-14号 『赤い大根』

赤い大根

以前に見たテレビ番組で、ご高齢の女性が絵手紙を描いておられた。

自分の畑から抜いてきた大根を、ためらいのない線で描き、
すっと深紅に彩色された。
インタビュアーが驚いて、どうして赤い色を塗ったのかと尋ねると、
白い紙に白い大根ではわからないから、というような事を言われた。

自在な線といい、自由な色彩といい、
軽々と飛び越えられたその精神に打ちのめされる気がした。

人は自分で自分の心を縛ってしまう。
いつの間にか経験で、これはこういうもの、という頑なな思い込みを
作ってしまうのだ。

そんな自分の硬直化した脳細胞を実感したのが、
近所の”物干し竿”事件(?)である。
ある家のベランダでは、いつも斜めの竿に洗濯物が干してある。
竿はお日さまに向かって高々と水平に掲げられるものと疑いもなく
信じきっていたので、斜めの存在がどうにも納得しがたい。
居心地が悪い。なぜ?どうして?

来る日も来る日も考え続けたところ、斜めの意図がようやく分かった。
これもまた住人の、自在な感覚のなせるワザであった。

さて、皆さんはお分かりになりますか?

(ご感想がありましたら「etegami_kousui@yahoo.co.jpまでお寄せください。)

いいネットホームへ戻る