
「山笑う ふふふふふふと 麓まで」
という句を見た事がある。
「山笑う」は春の季語だが、春は山だけでなく
田んぼも海も人も、
あらゆるものがのどかに笑っているような気がする。
野山の鳥たちもおおいに歌い、
楽しげに笑っているようだが…。
ご存知のように小鳥の歌は求愛行動や
縄張りのためで、オスだけが歌う。
雛の頃に父親の発声を聴き、血中に男性ホルモンが
増えて一人前になると、
それを手本に歌が上達するという。
このある時期にお手本をしっかり聴いて
ちゃんと学習しないと、
鳥として変な歌を歌うようになるらしい。
音痴のオスはメスからモテなくなって
子孫を残せなくなる。
のどかな春の風景にも、笑ってばかりはいられない、
なかなかシビアな状況がひそんでいるのである。